Bonsai Style | 大樹園 - Part 2

‘Bonsai Style’の記事一覧

2025/2/1
第99回国風盆栽展 開催のお知らせ

日本最高峰の盆栽展、国風盆栽展の開催が間近に迫ってまいりました。

国風盆栽展は、100年近い歴史を持つ日本一の盆栽展として知られています。

本展の特徴は、すべての出展作品が厳格な審査を経て選ばれるという点。

プロフェッショナルによる厳正な選考を通過した盆栽のみが展示される、まさに盆栽芸術の集大成といえる展示会です。

 

今年も数々の素晴らしい作品が集まり、

うれしいことに大樹園の盆栽も入選を果たすことができました。

写真でお伝えできる魅力はほんの一部です。

会場で実際にご覧いただく盆栽たちの存在感は、きっと皆様の想像を超えるものとなるでしょう。

 

盆栽に興味をお持ちの方はもちろん、日本の伝統芸術に触れてみたい方にも、ぜひ足を運んでいただきたい展示会です。

 

【開催概要】

■会期 前期:2月8日(土)~11日(火) 後期:2月13日(木)~16日(日)

■会場 東京都美術館(上野公園内)

〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36

■入場料 当日券:1,000円 前後期共通券:1,500円

■アクセス ・JR上野駅公園口より徒歩7分 ・東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅より徒歩10分

展示内容や最新情報については、公式サイトをご確認ください。

https://bonsai-kyokai.or.jp/event.html

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

2025/4/14
2025年岡崎緑風展のお知らせ|盆栽で春の訪れを堪能

大樹園の春の恒例イベント、岡崎緑風展

こんにちは!すっかり春らしくなり、花もの開花で華やかな大樹園です。
今年も春の恒例イベント「岡崎緑風展」が開催されます。

盆栽初心者から愛好家まで楽しめる内容が盛りだくさん!

「盆栽には興味ない~」という方でも、春の訪れは楽しみたいはず。

盆栽展の中でも最も気軽に楽しめるのではないかと思います。

無料ですし、遊具があるスペースもあります。

ピクニックがてらいかがでしょう?ぜひご家族、お友達と遊びに来てくださいね。

岡崎緑風展、盆栽展の広告
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2024/3/1
盆栽NFTマーケットプレイス「BON voyage」

 

 

2023年12月にローンチし、公となったプロジェクト、

盆栽NFTマーケットプレイス「BON voyage」

(ボンボヤージュ)

 

 

コロナ禍で盆栽界の持つ弱みを体感し、経営的な打撃を受ける中で進めてきました。

いきなり?!という感じがしているとは思いますが、

想いや詳細はぜひ、実際のマーケットプレイスで読んでいただきたいと思います。

ぜひのぞいてみてください!気合が伝わると思います。

盆栽NFTマーケットプレイス「BON voyage」

 

そのマーケットプレイスに、ついにWebアルバムの実装が完了し、

僕が考える盆栽NFTの「あるべき姿」がついに実現しました

本格的にお披露目していこうとブログの方でもご報告させていただきました。

 

盆栽の楽しみ方は様々ですが、四季の姿や、歴史は重要な要素です。

それを一冊の本のように綴っていくことができます。

また、個人の職人の仕事等を記録していく機能も搭載しています。

単なるNFTの取引機能だけでなく、それぞれの盆栽がもつ魅力を積み重ねていく「変化し続けるNFT」です。

 

ここに至るまでたくさんの苦労がありました。

このプロジェクトは「日本の盆栽を守り、もっと多くの方に盆栽の楽しさをお届けする!」という想いを込めて進めてきました。

 

正直、「NFTって何?」という方もまだまだ多いかと思います。

盆栽を未来につないでいく一歩として興味を持っていただければ嬉しいです。

 

こちらのリンクにてBON  voyageに関する情報をまとめています。

【BON.voyage】関連リンク集

 

まずは、とにかく、下の記事をご一読いただきたいです。

かっこいい写真も載ってます!

 

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2022/5/16
Before&After 杜松の芽摘み

みなさま、こんにちは。

春は樹種を問わずお手入れの多い季節。

今回はその中でも杜松の芽摘みをBefore&Afterでご紹介します。

以前にも杜松の芽摘みについてはこちらでもご紹介していますが、こちらは「完成した木を調整する」という基本の解説でした。

芽摘み 〇杜松〇

今回は「作りかけの木を将来を見据えて」芽摘みをする方法の一例です。

「仕上がった木にするための道のり」と言ってもいいかもしれません。

まずはBeforeの様子から。

2021年の10月です。

大樹園に来た時の様子。素晴らしいジンの持ち主。

しかしスカスカな部分が多く、葉の込み具合もまばら。

下枝が特にです。その点については今現在も成長を待っている状態です。

まずは植え替えから。

鉢が窮屈そうだったので大きくしました。六角の鉢から正方の鉢に変更です。

植える向きも一番映えるように変えました。

ここから枝棚を充実させるために伸ばしていきます。

2022年3月末

早くも新芽が伸びてきました。

でもまだまだ芽摘みをするには早いです。

樹勢を乗せ芽数を増やし、棚をはっきりさせるために、一度目の芽摘みはしっかり伸ばしてから行います。

5月上旬くらいまでは、整えたくなる気持ちをぐっと堪えます。

2022年5月

正面 Before 

ここまで伸ばしました。

もじゃもじゃですね。

やるぞ~!!芽摘みしていきます。

まずは輪郭を整えます。

作りかけの木の場合、中の方に隠れている枝も引っ張り出してくることが重要です。

これをすることで、枝棚がだんだん密になってくるのです。

正面After

ばっさり!整えるとまだまだ下枝の芽が少なく、頭が色濃いのがわかります。

下枝は今も成長を待っています。

裏面 Before

こっちももじゃもじゃです。

これだけ元気がついた状態から芽摘みをすると2番芽の芽吹きの旺盛さにも期待できますね。

裏面 After

すっきり!

シャリをかみながらよく動いた幹が現れてきました。

頭 Before

頭部分をアップしてみてみましょう。よく芽が詰まっている様子がわかるでしょうか?

通常ならこの状態でも構いませんが、この木は下枝がスカスカなので、それに合わせてバランスを取るために、上部の枝も透かしてあげます。

頭 After

古葉取りと、混んでいる部分の枝を透かしました。

 After

上から見た引きの図です。

頭と下枝が同じくらいの濃さに仕上がってるのがわかるでしょうか?

下枝の方は…何度も言いますがまだ隙間が多いのでほどほどに。

内側の方はほとんど摘んでいません。

After

表面 最終姿

完成です!!

芽摘み以外にも切り落とした枝があるので比べてみましょう。

ちょっと前

左丸の部分はせっかくのアピールポイントであるよく動いたシャリ幹が隠れてしまっています。

これをもっとよく見せるために、下枝を切り軽くしました。

右丸の部分もちょっと重たい印象です。

比べてみると最終姿はシャープな印象に変わったのがわかるでしょうか?

After 最終姿(裏面)

こちらも大きな枝を落としているので比べてみます。

ちょっと前

シャリ幹が引き立つように大きな下枝を切り、全体の輪郭を引き締めました。

昨年の10月の芽摘み時にはまだ切れませんでしたが、上の枝棚がしっかりしてきたので今回は落とす判断ができるようになりました。

一気に目指す姿にしようと、いらない枝や忌枝を全て落としていくと、パラパラな見栄えになったり、樹勢を落としたりします。

少し持ち込んで、準備が整ってからようやく切る。このような我慢の判断も、木の状態をよく見て時には必要ですよ!

「待つ」ことも技術の一つです。

【今回のポイント】

〇派手な動きのシャリ幹を際立たせました。

裏・表としましたがこれだけのシャリを持っているのでどちらを表にしても良いように仕上げています。

〇裏の枝をバッサリと切りましたが、育った上枝を降ろし、違和感なくバランスの取れた状態になりました。

〇シャープになった

〇それぞれの棚が育ってきた…まだまだ境目をはっきりさせていきます。

完全に仕上がったと言えるようになるのは少なくとも、もう1シーズン必要かなと思います。

最後に2021年10月と2022年5月の姿を比較してみましょう。

Before  2021年10月

After 2022年5月

まだ道半ばですが、7か月かけてこれだけの変化を遂げました。

杜松は比較的変化が早い樹種です。

手をかければ応えてくれると思うと面倒なお手入れも少し頑張れる気がしませんか?

春の芽摘みは杜松にとって本当に大切な手入れ。

困ったときはご相談くださいね。

2022/9/7
レンタル事業 | 盆栽屋さんのお仕事紹介

みなさま、こんにちは。

風が秋らしくなってきましたね。

とはいえ水切れ報告が多い今日この頃。

まだしばらくは夏のままの頻度で水やりを続けてくださいね。

本日のお題は好評?!【盆栽屋さんのお仕事紹介】レンタル事業編です。

大樹園では「盆栽貸鉢」という名でレンタル盆栽をしております。

そもそも盆栽のレンタルがあるって、ご存じでしたか?

ひと昔前は「盆栽のレンタルなんてあるの?」という感じでした。

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2020/4/1
出張版 Bonsai Lounge 〜盆栽があなたのイベントのアクセントに〜

みなさま、こんにちは!

今日は大樹園でも力を入れている出張版Bonsai Lounge(ぼんさいラウンジ) の一例をご紹介させていただきます。

ご存じの通り、当園では盆栽の販売買取、お手入れや教室、レンタルといういわゆる「盆栽屋」の仕事だけではなくイベントへの参加や企画にも力をいれています。

その活動のひとつBonsai Loungeというと

「大人の美食サークル〜Bonsai Lounge〜」

として、毎月選りすぐりの名店を訪問し、その空間を盆栽で飾り付け、視覚でも味覚でも美味しい異色のグルメ交流会として活動しています。(メルマガLINE@やInstagramで随時お知らせしています。)

 

今回ご紹介する出張版Bonsai Loungeはこの大人の美食サークル〜Bonsai Lounge〜とは大きく異なってきます。

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2025/2/17
【3/1-9開催】盆栽×酒×陶芸!3つの伝統が織りなす特別展示会、日本酒玉木酒店で開催

伝統文化に興味はあっても、なかなか一歩を踏み出せない

——そんな方に朗報です!

この春、盆栽・陶芸家・酒の3つの伝統が織りなすという新しい空間を創り出します。

場所は大正時代から続く岐阜県多治見市の老舗、玉木酒店

3/1から9日までの期間限定で、ワークショップや角打ちなど、五感で日本の美意識を体験できる貴重な機会です。本記事では、イベント詳細についてご紹介します。

 

【目次】

  1. 盆栽の魅力を再発見!大樹園 鈴木卓也による展示とワークショップ
  2. 陶芸の奥深さを体験!選び抜かれた作品の展示
  3. お酒とともに楽しむ特別な空間
  4. まとめ
  5. 開催概要 「盆と裁。 ~白珪尚可磨~」

 

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2020/12/31
冬の水やり

みなさまこんにちは。

クリスマスが終わり、あっという間に大晦日。

2020年最後のブログは、お手入れの基本である「水やり」について復習しておきましょう。

今回は冬の水やりについてですが、夏休み前には夏の水やりについて二回にわたり記事にしています。

ぜひそちらもご一読くださいね。

 

◆初心者向け・水やりの極意

「基礎編」

「夏を乗り越えるぞ!編」

とはいえ、忙しいときなので…

ざっくりまとめると夏の水やりはこの3点がポイントでした

〇とにかく水切れさせない

〇土が乾いたらたっぷり水を

〇土が乾いていなくても迷ったら水をあげる

 

では冬の場合は? (さらに…)

2021/5/17
黒松の葉透かし

みなさま、こんにちは。

植物が元気になるこの時期。

盆栽に限らず鮮やかな緑や花に目を奪われますね。

GWにはなんとかイベントも開催することができました。

足を運んでくださったみなさま、ありがとうございました。

 

さて、今回は以前からご質問が多かった「黒松の葉透かし」について。

以前、古葉とりの記事で取り上げていますが、今回はさらに深堀りしてみたいと思います。

みなさんの疑問や悩みを解決する糸口になれば幸いです。

(さらに…)

2021/3/8
盆栽の万能薬?石灰硫黄合剤

みなさま、こんにちは…いえ、お久しぶりです。

すっかりご無沙汰になっていたブログ更新、お待たせいたしました!

ここのところしっかり更新していたのでご心配(?)おかけいたしました。

何事もなく元気に営業中です。

ちょっとほかのお仕事が詰まっていただけでした~。

相変わらず、のんびりの更新ですが頑張ります!!

 

さて、今回のお題目は「石灰硫黄合剤」です。

言わずと知れた盆栽の万能薬的存在です。

適期は冬の間に2回。

大樹園では12月中に一回、2月中に1回やっています

すでに皆さん終えられていますか?

まだの方、間に合います!!

こちらのブログを読んだのも何かのご縁。

一緒に勉強しがてらぜひやってみてくださいね!

 

なぜ冬?なぜ必要?

冬は休眠期=強い消毒もやりやすい

石灰硫黄合剤は安全性が高く、濃度を濃くやっても薬害が出にくいので、冬の強めの消毒に適しているのです。

 

効果=殺虫・殺ダニ・殺菌

春に向けて植物だけでなく虫も活発になります。その前に対策しておくと安心ですよね。

 

薬液は?濃度は?

大樹園では約20倍の濃度で使用しています。

何千倍にも薄める時と違って、多少の誤差はあまり気にしなくても大丈夫です。

 

薬液は近年大容量での販売のみになってしまったので、ホームセンターなどで少量を気軽に購入することが出来なくなってしまいました。

例えば20倍に薄めると…

10ℓの薬液を作るのにたったの500mlしか原液を必要としません。

その上、空気に触れると固まって混入物が出来てくるので、なるべく早めに使い切ってしまいたいところです。

ですが、18ℓとか10ℓでの大容量販売ではちょっと多すぎ。一般の愛好家には手の出しにくい代物になってしまいました。

タイトルの通り、石灰硫黄合剤は盆栽にとってほぼほぼ万能薬。

とても有能な消毒なのでぜひやっていただきたい!!

購入方法としては、盆栽園で小分けで購入させてもらう・友人などと共同購入というのがオススメです。

どこの盆栽園も持っているはずなので問い合わせてみてくださいね。

もちろん、当園でもOKです!

(郵送は難しいため、大樹園までお越しいただける方に限ります。申し訳ございません。)

 

気を付ける事

1.完全防備で!

白く色がつきます。

服装は汚れてもいいもの・雨がっぱなどを。肌についても大きな害はありませんがやはり農薬の一種です。

肌についたら水でしっかり洗い流してください。

 

2.周りに何もないところで。

窓・壁・車など周囲の環境にも注意を。車につくと錆びてしまうこともあります。

 

3.風の強い日はNG

 

4.目に入らないように!!

粘液を溶かしてしまう強酸性の液体です。たとえ薄めたものが少し入るだけでもめちゃくちゃ痛いです。

量次第では大ごとになりうるので、万が一、入ってしまったら急いで水で洗い流してくださいね。

 

5.鉢につかないように

盆栽鉢は通気性がいいので消毒が中まで染み込んでしまいます。

石灰硫黄合剤の汚れは取れづらく、きれいになるまで時間もかかります。

 

対策として…

鉢を汚さないようにあらかじめ鉢を水で濡らしておきましょう

鉢に水を含ませた状態だと消毒が染み込むのを防ぐことができます。

そして消毒を終えたら、乾く前にすぐに水でしっかり洗い流しましょう

 

消毒の仕方

1.まずは先ほどの鉢の処理をしておきます。

2.消毒する。

道具は噴霧器やひしゃくなどを使います。

小品盆栽では深めの桶に溶液を作り、樹の部分を逆さにして漬け込むという方法もあります。

これは休眠期ならではの方法。これだけしっかり消毒すると皮の中の虫や病気もやっつけることができます。

3.鉢に水をかけ、汚れない等にする。

 

いかがでしょうか?

それなりの手間はありますがやって損はないお手入れです。

害虫予防や殺ダニが一気にでるんですから!!

これからの新緑の時期、少しでもトラブルが少なく大切に育てたいものですね。

 

【イベント情報】

大変残念ですが、盆栽教室・岡盆サロンは中止となっています。

わからないことやお手入れについては個別に対応させていただきますのでお気軽にお問合せくださいね。