【開催御礼】第95回銘風盆栽展|新春を彩る珠玉の盆栽たち

2026年1月9日から11日までの3日間、第95回を迎える銘風盆栽展を名古屋市の吹上ホールにて開催いたしました!

今年も多くの方にご来場いただき誠にありがとうございました。

東海地区を代表するこの盆栽展には、全国から厳選された珠玉の作品が一堂に会します。会場に入ると、新春という季節も相まって、盆栽独特の気配や存在感を肌で感じていただけたのではないでしょうか。

今年は95回という節目でもあり、日々盆栽と向き合う私たちにとっても歴史を感じる特別な銘風盆栽展となりました。

ご来場の皆様にも新年最初に「本物の盆栽」と向き合う時間をお楽しみいただけたと自負しております。今回はその様子をお伝えしていきます。

銘風盆栽展とは|95年続く伝統と格式

あまりお伝えすることがありませんでしたが、Instagramの発信などでHPをご覧頂く機会も増えてきたので改めて銘風盆栽展についてお話したいと思います。

銘風盆栽展は東海地方を代表する盆栽展として知られています。中部盆栽組合が主催し、愛知県・名古屋市・日本盆栽協会などの後援を受けて開催されるこの展覧会は、全国の盆栽愛好家から寄せられた逸品を展示します。

日本最高峰である国風展が今年100回を迎えますが、それに次ぐほど長く続く盆栽展に携わることができ、身の引き締まる思いです。戦前から続いていると思うと銘風盆栽展は盆栽文化を継承していく上でも、大切な役割を担っていると感じています。また、支えてくださる盆栽愛好家の皆様やご来場のみなさまには改めてお礼申し上げます。

今回の展覧会では、松柏類、雑木類、水石など多岐にわたるジャンルの作品が約60点展示されました。

質の高い作品が一堂に会する機会は、愛好家のみなさまや私たち自身の日々の管理技術を見直し、さらなる向上を目指す貴重な学びの場となります。また、展示だけでなく、盆栽・水石・盆栽道具の即売会も同時開催され、「見る」だけでなく「手に入れる」楽しみも提供させていただいております。盆栽デビューやお気に入りの一鉢に出会う機会となればうれしいです。

会場の雰囲気と展示構成|吹上ホールが盆栽空間に

名古屋市中小企業振興会館、通称・吹上ホールの第2ファッション展示場が、この3日間、和の雰囲気に包まれました。普段は様々なイベントに使用される会場が、盆栽展の空間としてガラッと変わる様子は、ご来場のみなさまにも新鮮な驚きだったのではないでしょうか。​

今年のエントランスは「銘風盆栽展2026」と大きく描かれた青い看板と波の意匠が来場者を出迎え、新春らしい雅な雰囲気を演出していました。来場者のみなさまがニコニコと展示エリアへと向かう姿を目にし、私たちも嬉しく感じておりました。​

展示は、一鉢一鉢が、掛け軸や添配とともに丁寧に飾り込まれています。また、訪れる皆様が様々な盆栽の美を堪能できるよう心がけております。内閣総理大臣賞をはじめとする受賞作品は、やはりひときわ目を引き、多くの来場者が足を止めて見入っていました。​

会場には、ご年配の盆栽愛好家の方々はもちろん、若いカップルや家族連れの姿も。スマートフォンで写真を撮る方、本格的なカメラで撮影する方、いろいろな角度で熱心に観察する方、作品の前で静かに対話を楽しむ方――それぞれの楽しみ方で、盆栽という日本の伝統文化に触れている様子が印象的でした。

内閣総理大臣賞受賞作品真柏の圧倒的存在感

会場で最も多くの来場者の足を止めていたのが、金屏風を背景に赤い毛氈の上に飾られた、内閣総理大臣賞を過去に受賞した真柏(しんぱく)でした。

樹齢は約400年。本来ならば10メートル以上になるようなこの真柏を1つの鉢という世界で育て上げています。

内閣総理大臣賞 真柏 作風展 銘風盆栽展 大樹園
内閣総理大臣賞 真柏 作風展 銘風盆栽展 大樹園

幹の躍動感と白骨化したジン・シャリ(枯れた幹や枝が白く風化した部分)の見事な調和は圧倒的な美しさと生命力を感じます。まるで龍が天に昇るかのような力強い曲線を描く幹は、自然界で風雪を耐えてきた様子をありありと描いています。生きている緑の葉と、長い歳月をかけて白く風化した枯れ木の部分が、一本の樹の中で絶妙なバランスを保っています。

金屏風という格式高い背景と、赤い毛氈、そして添配として置かれた人形――日本らしい飾り付けも、真柏の持つ風格をさらに引き立て、日本の伝統的な新年を感じていただけたかと思います。

盆栽に携わる者としては、樹形を作り上げるための針金かけ、ジン・シャリを美しく保つための管理、そして何より、何十年という時間をかけて一つの作品を育て上げる忍耐と情熱には頭が下がる思いです。写真以上に、目の前にしてこそ感じる、この真柏の「時間の重み」に多くの方が胸を熱くされていました。

黒松・雑木・小品盆栽|心に残った作品たち

内閣総理大臣賞の真柏だけでなく、会場には個性豊かな作品が数多く展示されていました。ここでは、ジャンルごとの「盆栽の魅力」を少しお伝えします。盆栽玄人の皆様には今更かもしれませんが、各ジャンルの見どころを簡単にご紹介させてください。

黒松の王道美

盆栽展に欠かせないのが、堂々とした黒松です。大樹園と言えば黒松。黒松の作品は多くあったと思いますが、いずれもその看板に恥じない展示をお見せすることができたと思います。幹肌の荒々しさと、整然と配置された枝の美しさ。黒松は「盆栽の王様」とも呼ばれ、その風格は他の樹種では表現できない独特の魅力がありますが、そこには緻密な職人技が積み重なり素晴らしい作品となっています。何十年もの針金かけと剪定の積み重ねによって作り上げられた枝の配置には、長年の経験と技術が凝縮されています。冬場の黒松は、古い葉を落とし、新芽の準備をする大切な時期でもあります。この時期に展示される黒松からは、春への期待と、一年の成長を見守る作者の愛情も感じられました。

雑木の繊細な美しさ

松柏類とは対照的に、雑木類の持つ繊細さも銘風展の見どころの一つです。楓やケヤキなどの落葉樹は、冬枯れの姿だからこそ、樹形の骨格美が際立ちます。葉がない分、幹の立ち上がり、枝の分かれ方、細かな枝先の配置まで、すべてが丸見えになります。まるで山里の風景を切り取ってきたかのような自然な樹形は、人工的な作り込みだけではなく、あたかも野山に自生しているような自然さ――これが雑木盆栽の最高の褒め言葉であり魅力のひとつです。春には新緑、秋には紅葉と、四季折々の姿を楽しめる雑木盆栽ですが、冬の姿もまた格別の美しさがあります。ぜひ1年を通してご覧頂きたいものです。

小品盆栽の世界

大型の盆栽も圧巻ですが、手のひらサイズの小品盆栽にも魅力的な作品が揃っていました。小さな鉢の中に凝縮された宇宙――これが小品盆栽の魅力です。ある小さな黒松は、わずか15センチほどの樹高でありながら、大樹の風格を感じさせる見事な作品でした。

小品盆栽は、限られたスペースでも楽しめることから、マンション住まいの方や、盆栽を始めたばかりの方にも親しみやすいジャンルです。SNSなどでもモダンな雰囲気のカフェや部屋に飾られた様子をよく見かけます。しかし、小さいからといって管理が簡単というわけではありません。むしろ、鉢が小さい分、水切れしやすく、細やかな注意が必要です。今回展示されていた小品盆栽の完成度の高さは、日々の丁寧な管理があってこそなのです。

即売会の賑わいと、皆さまへのご案内

銘風盆栽展のもう一つの魅力が、展示と同時開催される即売会です。盆栽、水石、盆栽道具など、豊富なラインナップが揃い、多くの来場者で賑わっていました。

「見て楽しむ」だけでなく「手に入れる」「育てる」という次のステップへ――即売会は、盆栽との新しい出会いの場となっています。ベテランの愛好家が樹を吟味する姿もあれば、初めて盆栽を購入するという若い方の姿も多く見られました。スタッフが丁寧に管理方法を説明し、購入者が真剣に耳を傾ける様子は、盆栽文化の確実な広がりを感じ、とても嬉しい光景でした。展示作品の素晴らしさに触れた後、『自分も育ててみたい』という気持ちが芽生える

――そんな作品を展示できたことを誇らしく感じます。こうした機会が盆栽人口の裾野を広げ、盆栽文化の継承につながると信じています。今回も多くの方が、お気に入りの一鉢を手に、笑顔で会場を後にされていました。

さて、ここまで銘風盆栽展の様子をお伝えしてきましたが、ご来場くださった皆様へ改めてお礼を申し上げます。ブログをご覧頂いている方の中には実際に手に取ってくださった方もいらっしゃるでしょうか?

お手入れや道具のこと、なにかお困りごとがあればいつでも大樹園を頼りにしていただきたいと思います。盆栽と過ごす皆さまの日々が豊かになるお手伝いがしたいと常々思っております。

ここで少しお知らせさせてください。

①大樹園LINE公式アカウント Bonsai Style

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こちらは水やりから始まる月1回配信のメールマガジンです。イベントや毎月のお手入れについて配信しています。盆栽についての質問はこちらからお送りくださいね。すでにご登録の方も多いかと思いますが、ぜひご活用ください!

②当日の模様をテレビ愛知にて取材いただきました

初めて盆栽に触れる方にも分かりやすく説明していただいております。5分程度の動画です。思い出を振り返ったり、来年の参考になどぜひご覧ください!

第95回銘風盆栽展は、95年という歴史の重みとともに、盆栽文化を守り継ぐことの大切さを改めて実感する機会となりました。

ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。盆栽大樹園は、これからも皆様の盆栽ライフを全力でサポートしてまいります。

2026年も、盆栽とともに豊かな一年をお過ごしください。