先日は異例の進路の台風12号が珍しく愛知県付近を直撃ということで、大樹園でも台風対策に追われました。まだまだ台風シーズンは続きますので盆栽の台風対策についてまとめてみます。
こちらは普段の大樹園
台風対策を施すとこんな感じで棚がすかすかになってしまいます。
ここから対策ポイントを一つづ紹介します。
①縛り付ける
これは基本中の基本ですね。
普段からこのように縛っておくと、台風だけでなく地震や急な荒天時にも安心です。
②棚下に下ろす
大きいものは大変ですが、強風に煽られ棚から落下することにより、枝が破損したり、鉢が割れてしまうことを考えると予め下ろしておくことは有効な手段です。
その際の注意点として、棚上にあった変照台や天板なども必ず下ろしておくことです。
これが残っていると強風で飛ばされ盆栽に直撃し、せっかくの対策が無意味になってしまうので注意が必要です。
③寄せる
すべての木を中に入れたり地べたに置くスペースはなかなかないものです。鉢同士を寄せ合って棚の中心に寄せておくだけでも風に煽られて落下するリスクが減ります。
④屋内に避難する
大事な鉢には万が一でもなにかあっては困りますね。屋内に避難するのは作業的には一番大変なことですが、一番安全な方法と言えます。
背が高すぎる、枝が折れやすい、葉が弱い、高級品、などの条件に当てはまるものは屋内避難をオススメします。
屋内では雨が当たらないので水やりもお忘れなく。
⑤寒冷紗をたたむ
夏場は日差しが強いので雑木や小品盆栽の棚に寒冷紗をひいている方も多いのではないでしょうか?
小さく隙間があいていて風を通しそうですが、強風を受けると大きく煽られてしまいます。
台風時に寒冷紗を張ったままにしておくと、ひどいときは強風で設備ごと破壊されてしまうこともありますので、必ずたたんでおきましょう。
台風対策と一言で言っても、盆栽に限ったことではないのです。
以上が台風前にしておくべき台風対策になります。
台風一過、暑い空気が流れ込み日差しがジリジリと照りつける中、盆栽棚を復帰させることは大変なことですよね?
やっと盆栽がきれいに並んで日常の風景が戻ってきたと一安心するのは少し早いです!
⑥塩害対策
台風が長く陸上を通るコースを辿った場合あまり心配がないのですが、今回の台風12号のように海から直接上陸してくるようなコース(愛知県は直撃でした)をたどる場合塩害対策も必要になってきます。
※塩害とは・・・
台風は海水を巻き上げ、塩分を含んだ雨水をもたらします。
その雨水が強風で植物に吹き付けられると、植物が急激に枯れてしまうことがあり、これが塩害です。
浸透圧の作用で葉の水分が奪われるのが原因で、海から離れた場所でも注意が必要なのです。
(WEBより参照)
この塩害を防ぐため、台風が通過したあとにはこのように真水で葉を洗ってあげることが重要です。できれば日差しで乾ききってしまう前がベストです。
特に雑木類は塩害の被害を受けやすいので気をつけてくださいね。
盆栽愛好家にとって台風は頭の痛い問題ですが、しっかりと対策すれば恐れることはありません。
楽しい盆栽ライフを続けていくために、事前予測を過小評価せず万全の対策をしておきましょう。