みなさま、こんにちは。
まだまだ梅雨が続きそうではありますが、それが明けると夏本番!
盆栽を始めたばかりの方にとって、初めて夏は乗り越えるべき大きな壁とも言えます。
自粛期間中におうち時間が増え、盆栽を始めたという声も耳にいたしました。
そこで今回は基本に立ち戻り、盆栽にとって一番大切な水遣りについてもう一度勉強してみましょう!
今週から「基礎編」・「夏を乗り越えるぞ!編」の2回に分けてしっかりご解説していきます。
水遣りに関するお手入れの理由や豆知識も書いていますので、ベテランの皆様も読んでみてくださいね。
新たな発見があるかもしれません。
基礎編の今回はQ&A方式でご説明いたします。
ここにはない疑問がでてきたらぜひご質問くださいね!
Q.どうやってあげるのがいいですか?
A.やり方は以下の通りです。
●水をかける道具→じょうろでもシャワーでもOK.
土が飛ばないようにやさしく水遣りができるものを選びましょう。
(バケツでバシャっとはダメですよ~!)
◎せっかく盆栽を始めるのだからこだわりたい!という方へ◎
大樹園のウェブショップ「Bonsai Style」でもじょうろや散水ノズルを販売中です。参考にしてくださいね!
https://bonsaistyle.thebase.in/categories/2361124
●水をかける場所→基本的に樹ではなく土の表面全体に。いろんな方向から満遍なくかけましょう。
幹に水をかけると苔がつきやすくなります。
古い幹は盆栽の良さの一つ。繁殖した苔で隠してしまわないように気をつけましょう。
葉にかける場合もありますがそれは応用編にて!
●お水は水道水でOK
Q.水やりのタイミングは?
A.土がしっかり乾いてから、たっぷりと!
水遣りは「乾く」・「たっぷり」のメリハリが一つのポイント。
1.乾く。土に空気が入り、しっかり呼吸します。根腐れも防ぎます!
2.水をたっぷり。古い空気も押し出され鉢内の換気が出来ます。
3.乾いていく。根は水を求めて伸びていきます。
これが水遣りのサイクルです。
では、根がのびるとどんないいことがあるのでしょう?
根が伸びる=枝が伸びる=健康!=芽数が増え、盆栽が仕上がっていく。
これだけでも水遣りの大切さがわかりますね。
Q.たっぷりってどれくらい?
A.鉢全体に行き渡るように、鉢底から水が抜けていくくらいです。
ちょろっと水をあげるだけだと、根まで届きません。
水遣りにムラがあると育ち方もばらばらになってしまいます。
そして何より水切れは大ダメージ!枯れる事に直結します。
しっかりあげてくださいね。
Q.1日にだいたい何回あげるのがいいのでしょうか?
A.目安となりますが以下のとおりです。
春・秋→1日1回
夏→1日2回(朝・夕)、様子をみて3回の日もあります。
冬→2~3日に1回くらいがいいです。
(基本は、観察して土の表面を観察して乾いたらですよ~。よく見てあげましょう!)
その他、注意点は下記の通りです。
Q.雨が降ったら水遣りはしなくていいの?
A.雨の降り方・土の様子チェックして判断しましょう。
小雨・雨の後晴れた→いつも通り水やりを。表面が濡れているだけで乾いていることも多いです。
豪雨→一日中降るような場合は水遣りはやめてもいいでしょう。
Q.やっぱり根腐れが怖い…水をあげすぎて、根腐れしたりしませんか?
A.大丈夫、そんなに簡単にはしませんし、真に怖いのは水切れです!
◎根腐れVS水切れ
まずは基礎知識です。
・根腐れ
根腐れをすると、水やりをしているのに葉っぱや幹に元気なかったり、葉が黄色く変色してきたりします。
そのまま放置おくと一部の枝が枯れてしまったり枯死することもあります。
・水切れ
水切れをすると根が干からびて死んでしまい、水を吸い上げられなくなるため樹が枯死してしまいます。
一部の根だけ水がかかってない状態だと、一部の枝だけ枯れたりします。
では、これらがどれくらいの期間で起こるのか比較してみましょう。
・根腐れ
根腐れの原因は酸素不足です。
何週間も乾かさない状態の管理をしていると、鉢内の空気が入れ替わらず酸欠状態になり、
だんだんと根が壊死してしまいます。
水捌けの悪い土を使っていても同じことが起こります。
さらに根腐れが発生してから何ヶ月も対処しないでいると枯死することがあります。
・水切れ
季節にもよりますが、特に夏ですとたったの半日水をやり忘れただけで起こるし、すぐに枯死につながります。
分かりましたか?
そう、時間をかけて起こる根腐れよりも、短時間で起こりすぐに枯死につながる水切れの方が圧倒的に怖いんです!
水管理の基本は、第1に水を切らさないこと!
特に現役世代の方の平日の水管理は、「迷ったらあげておく」くらいのつもりでOKなんです。
根腐れ防止には、休日を利用して週に1回くらいだけでも土が乾いてから水をあげる管理をしてあげられると安心ですね。
いかがでしょうか?
盆栽にとって水遣りが一番大切。これさえマスターすれば何年でも育てられるベースが出来上がります。
忙しい毎日の中ではありますが、せっかく出会った盆栽です。
ほかのどんなお手入れがおろそかになっても、水遣りは忘れないであげてくださいね!
次回は「夏を乗り越えるぞ!編」。
梅雨明け前に復習しておきましょう!