Before&After | 大樹園

‘Before&After’の記事一覧

2022/5/16
Before&After 杜松の芽摘み

みなさま、こんにちは。

 

春は樹種を問わずお手入れの多い季節。

今回はその中でも杜松の芽摘みをBefore&Afterでご紹介します。

 

以前にも杜松の芽摘みについてはこちらでもご紹介していますが、こちらは「完成した木を調整する」という基本の解説でした。

芽摘み 〇杜松〇

 

今回は「作りかけの木を将来を見据えて」芽摘みをする方法の一例です。

「仕上がった木にするための道のり」と言ってもいいかもしれません。

 

まずはBeforeの様子から。

2021年の10月です。

大樹園に来た時の様子。素晴らしいジンの持ち主。

しかしスカスカな部分が多く、葉の込み具合もまばら。

下枝が特にです。その点については今現在も成長を待っている状態です。

 

 

まずは植え替えから。

鉢が窮屈そうだったので大きくしました。六角の鉢から正方の鉢に変更です。

植える向きも一番映えるように変えました。

ここから枝棚を充実させるために伸ばしていきます。

 

 

2022年3月末

早くも新芽が伸びてきました。

でもまだまだ芽摘みをするには早いです。

樹勢を乗せ芽数を増やし、棚をはっきりさせるために、一度目の芽摘みはしっかり伸ばしてから行います。

5月上旬くらいまでは、整えたくなる気持ちをぐっと堪えます。

 

 

 

2022年5月

正面 Before 

ここまで伸ばしました。

もじゃもじゃですね。

やるぞ~!!芽摘みしていきます。

 

まずは輪郭を整えます。

作りかけの木の場合、中の方に隠れている枝も引っ張り出してくることが重要です。

これをすることで、枝棚がだんだん密になってくるのです。

 

正面After

ばっさり!整えるとまだまだ下枝の芽が少なく、頭が色濃いのがわかります。

下枝は今も成長を待っています。

 

 

裏面 Before

こっちももじゃもじゃです。

これだけ元気がついた状態から芽摘みをすると2番芽の芽吹きの旺盛さにも期待できますね。

 

裏面 After

すっきり!

シャリをかみながらよく動いた幹が現れてきました。

 

頭 Before

頭部分をアップしてみてみましょう。よく芽が詰まっている様子がわかるでしょうか?

通常ならこの状態でも構いませんが、この木は下枝がスカスカなので、それに合わせてバランスを取るために、上部の枝も透かしてあげます。

 

頭 After

古葉取りと、混んでいる部分の枝を透かしました。

 After

上から見た引きの図です。

頭と下枝が同じくらいの濃さに仕上がってるのがわかるでしょうか?

 

下枝の方は…何度も言いますがまだ隙間が多いのでほどほどに。

内側の方はほとんど摘んでいません。

 

 

 

After

表面 最終姿

完成です!!

芽摘み以外にも切り落とした枝があるので比べてみましょう。

 

ちょっと前

左丸の部分はせっかくのアピールポイントであるよく動いたシャリ幹が隠れてしまっています。

これをもっとよく見せるために、下枝を切り軽くしました。

右丸の部分もちょっと重たい印象です。

 

比べてみると最終姿はシャープな印象に変わったのがわかるでしょうか?

 

 

 

After 最終姿(裏面)

こちらも大きな枝を落としているので比べてみます。

 

ちょっと前

シャリ幹が引き立つように大きな下枝を切り、全体の輪郭を引き締めました。

昨年の10月の芽摘み時にはまだ切れませんでしたが、上の枝棚がしっかりしてきたので今回は落とす判断ができるようになりました。

 

一気に目指す姿にしようと、いらない枝や忌枝を全て落としていくと、パラパラな見栄えになったり、樹勢を落としたりします。

少し持ち込んで、準備が整ってからようやく切る。このような我慢の判断も、木の状態をよく見て時には必要ですよ!

「待つ」ことも技術の一つです。

 

 

 

【今回のポイント】

〇派手な動きのシャリ幹を際立たせました。

裏・表としましたがこれだけのシャリを持っているのでどちらを表にしても良いように仕上げています。

〇裏の枝をバッサリと切りましたが、育った上枝を降ろし、違和感なくバランスの取れた状態になりました。

〇シャープになった

〇それぞれの棚が育ってきた…まだまだ境目をはっきりさせていきます。

完全に仕上がったと言えるようになるのは少なくとも、もう1シーズン必要かなと思います。

 

 

最後に2021年10月と2022年5月の姿を比較してみましょう。

 

Before  2021年10月

 

After 2022年5月

 

まだ道半ばですが、7か月かけてこれだけの変化を遂げました。

杜松は比較的変化が早い樹種です。

手をかければ応えてくれると思うと面倒なお手入れも少し頑張れる気がしませんか?

春の芽摘みは杜松にとって本当に大切な手入れ。

困ったときはご相談くださいね。

2020/7/10
Before&After 蝦夷松

みなさま、こんにちは。

大樹園のある愛知県岡崎市に限らずと思いますがじっとりと梅雨空が続いていますね。

一方で、先日蝉の羽化を見ることができて、いよいよ夏だなぁとも感じております。

 

さて、今回はなんと6年越しのBefore &After!

蝦夷松の成長していく様をご覧ください。

 

まずは現在の整った姿から。

 

蝦夷松らしい古みを帯びた幹肌に、圧巻の太幹!

極寒の地域で育つ蝦夷松は成長が遅く、太くなるにはとても長い年月を必要とします。

この蝦夷松はひょっとして千年近い年月を生き抜いてきているのかもしれませんね。

蝦夷松ではあまり印象にない迫力のあるジンシャリもこの樹のみどころです。

 

 

6年前というと2014年。

消費税が5%から8%になったり、長寿番組「笑っていいとも!」が終了したり、「アナと雪の女王」が大流行したり、日本人が3人もノーベル物理学賞をいただいたり…そんな1年でした。

(改めて調べてみると、時の早さを感じますね~)

 

そしてこの樹の6年前はというと…これです。

自由ですね〜

元気に好き放題伸び荒れていましたのでお仕事をすることになりました。

 

 

針金をかけた様子を見てみましょう。

幹が太く、舎利も立派で素質は感じますが、まだこの樹の魅力を100%引き出し切れていません。

荒れ放題に見えましたが、意外と枝には力がなく芽数も少かったので、枝抜きを極力我慢しながら伏せておき、ひとまずベースとなる道筋をつけるための最初の針金かけと言った感じですね。

 

ここから6年かけてしっかり肥培をかけていき…

元気いっぱい!!

これだけしっかり力が乗り、芽数が増えてくると不要な枝を抜いてももう安心です。

思い切って作業していきましょう!

 

 

では改めて現在の姿をじっくりご覧ください。

6年前の作業では抜ききれなかった枝をバッサバッサと抜いていき、おかげでずいぶん引き締まった姿にまとめることができました。

1番の魅力である圧巻の太幹もよく見えるようになったのではないでしょうか?

 

これでもまだ完成ではありませんよ!

さらに1~2年をかけて培養し枝かさを増して、枝棚をはっきりとさせていく予定です。

 

ここまで立派に育ってくれてありがとう!ワクワクしますね。

まだまだ魅力を引き出していきますよ~!!

2020/2/5
国風盆栽展へ向けて!気合入ってます!!

 

暖冬とはいえ朝晩はしっかり冷え込みますね。

皆様、お元気におすごしでしょうか。

さて、いよいよ近づいてまいりました!

第94回国風盆栽展

http://www.bonsai-kyokai.or.jp/kokuhuten.htm

◇会期
前期 令和2年2月8日(土曜日)から11日(火曜日)

後期 令和2年2月13日(木曜日)から16日(日曜日)
午前9時30分から午後5時30分(入場は午後5時まで)

ただし11日、16日は午後4時まで(入場は午後3時30分まで)
(12日は入れ替え日に付ご覧になれません)

 

日本屈指の盆栽展示会、大樹園ももちろん気合をいれ、着々と準備をすすめております。

今日は展示会に向けての準備の模様をお届けいたします。

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2018/11/3
そなれの改作〜鉢合わせまで

秋の改作週間第五弾!

今回は先日の岡崎盆栽会の京都大阪方面日帰り見学会で立ち寄った盆栽園で、一目惚れして購入したそなれの改作です。

 

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2018/10/28
真柏を小品サイズへ再縮小

秋の改作週間第四弾はお客さんからの依頼で、大きくなりすぎてしまった小品サイズの真柏の再縮小です!

今回は作業途中の写真を取り忘れてしまったのでシンプルにビフォーアフターのみですがちょこっと解説をします!

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2018/10/23
超小葉性の五葉松の整姿

秋の改作週間第三弾はこちらの五葉松!

第二弾の五葉松と比べ葉の長さは三分の一以下にまとまる超小葉性のエリートです!

今回はこの五葉松の問題点を解決していきます。

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2018/10/18
中品サイズ五葉松の改作

秋の改作週間第二弾はこちらの五葉松です!

大きさの割に古みがありサバをかんだ幹は風格を漂わせてはいるものの、枝作りができておらず残念な状態です。

 

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2018/10/14
朝鮮赤松の中品サイズへの縮小

本格的な夏が終わり、盆栽の手入れに適した季節がやってまいりました!

久々に改作仕事をたくさん行いましたので少しづつ公開していければと思います。

今日は足元の皮肌に一目惚れして購入したこの朝鮮赤松の縮小を行います。

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2018/9/1
真柏の改作 before&after(4年目)

長期の改作です。この真柏の改作による4年間の軌跡をまとめてみました。

 

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